鉄道会社の新入社員研修は?その2

今日は前回に引き続き入社式から新入社員研修の話を紹介しよう。

入隊式?

異様な雰囲気に飲まれながら入社式の会場に入ると、外で見た光景に劣らない異様な雰囲気であった…

会場に案内され、指定された席に着席する。全員が揃うと、司会の社員から入社式の前にリハーサルを行うと伝えられた。
(入社式なんて偉い人の話を聞くだけじゃないのか?)
と思っていると司会が、起立!と号令をかける。
学校の授業みたいだな、等と思いつつ席を立つと、怒号が飛ぶ。
「なめてんのか!ダラダラするな!全然揃ってないじゃないか!」
いきなりの洗礼である。中学校や高校でも起立で怒号が飛んだ経験などない。
(これはとんでもない所に来てしまった…)
その後も礼の角度が揃っていない、姿勢が悪い等多くのダメ出しがされ、入社式が始まった。
内容自体は平凡なものだ。偉い人が話をし、新入社員代表が挨拶し、社歌を歌う。

ご丁寧に、新入社員の家族からのムービーまで放映された。

「○○君、小さいころからの夢だった鉄道会社に入れて、家族一同喜ばしく思います。立派な社会人となってください。」
感動のシーンのはずだが、何も知らない家族たちは子供が軍隊式の訓練を受けいているなど想像もつかないのだろう。

まるで自衛隊にでも入ったような気分になり、これから始まる研修が憂鬱になっていった…

軍隊式の研修(教練?)

1日目の午前しか終わっていないのにひどく疲れたが、入社式は始まりに過ぎなかったことにすぐ気付くことになる…

朝から昼過ぎまで全く休憩なしのまま研修所に向かう。ほんの少しの移動時間すら、「ダラダラするな!私語は慎め!」と講師の怒号が飛ぶ。
急いで部屋の荷物を整理し、研修が行われる教室へと向かう。
午前中という短い間に新入社員たちは良く教育され、徐々に行動が素早くなってきた。

ここからは座学が始まり、会社のルールや労働時間、社会人としての心構えなど基礎的な講義が行われる。
講義といってもただ座って資料を読むものと油断してはならない。
講師がわかりましたか?と言ったときは、全員で「はい!」と大声で返事をしなければならないのだ。
勿論声が小さかったり、揃っていなければ、「やる気がないのか!学生気分が抜けてないぞ!」と怒鳴られることになる。
居眠りすることなど、もってのほかである。

鉄道会社では時間が第一であり、研修生活においても時間管理を徹底するよう厳しく言われる。
時間を守るために研修期間中は常に5分前に行動をするよう指示される。
例えば日中の講義の時間であれば、講義が始まる5分前には着席し、静粛に待機していなければならない。
これがかなり厄介で、講義の合間には10分間の休憩がはさまれているが、実質5分しか休憩時間がないということになる。
この5分の間にトイレに行ったり水を飲んだりする必要があるが、何百人もの新入社員が短時間にトイレに立つため、
トイレには長い行列が作られ、落ち着いて用を足すこともままならない。
しかしどんな事情があっても5分前までに戻っていなければ、講義の前に全員が怒鳴られることになる。勿論、トイレが混んでいたというのは言い訳にならない。
講義が延長した場合は悲惨である。全く休憩のないまま次の講義が始まることになる。

17時過ぎにその日の講義は終了するが、課題やグループワーク等が大量に出されるため、身体が休まる暇もない。
食事や風呂の時間についてもスケジュールが組まれており、ここでも5分前集合が徹底される。
不思議なもので、いつのまにか5分前に行動することに違和感を覚えなくなっており、私のようないい加減な人間でもしっかりと時間を守るようになっていた。

行動訓練

研修の中には行動訓練という項目も含まれている。
運動が出来る服装で外に集合させられると、まずグループ毎に整列させられる。
講師から右向け右や番号などの動作を指導される。
4月とはいえ外は暑く、汗だくになりながら声をだし、講師の指示に従い右を向いたり左を向いたり行進をする。
これも少しでも反応が遅れたり、グループで動作がずれたりすると、怒鳴られることになる。

有名大学卒だろうが高卒だろうが女子だろうがお構いなしに、軍隊式の訓練をやらされるのだ。

ここではみんな平等に二等兵である。

覚悟が必要

多くの人を乗せて走る電車の運転士、いつも笑顔で対応してくれる窓口の係員、ショッピングモールやエキナカを開発するクリエイティビティあふれる社員…
鉄道会社はキラキラしているように見えるかもしれない。
筆者も含めてみなそこにあこがれて鉄道会社の門をたたく。
しかし実際は統率がしっかりと取れた一つの軍隊のような組織だ。
キラキラではないことを覚悟して就職を決めることをおススメする。

“鉄道会社の新入社員研修は?その2” への2件の返信

  1. まさにこの通りです…
    合わないな、と思った人は研修段階でリタイアしていきます。
    残った人たちはそれが当たり前になって、いつかは教育する側に回ってまた同じことをする…
    私の先輩は講師側になるにあたって「とにかく理不尽に怒れ」とアドバイスされたと言っていました。
    すごく異様な空間です。

    1. 脱出者さん
      コメントありがとうございます。

      研修の雰囲気に馴染めず退職する人は意外といますね。
      残った人は、あれくらいで何で??という意識になってしまってるので特に変わりません。
      私も講師が優しく講習を実施したら人事からめちゃくちゃ怒られたという話を聞いたことがあります。

      下手に社会人として自我が生まれると厄介なので、最初の段階から教育しているのでしょう。

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