今回は鉄道会社の新入社員研修について紹介します。
ここに書く内容はあくまで筆者が経験した内容なので、全てが正しいとは限りませんが、鉄道会社に就職した人の話を聞くと大体似たような感じらしいです。
入社式まで
世間の多くの企業と同じく、某鉄道会社においても新卒として入社すると、新入社員研修を受けることになる。
筆者が入社した会社では約1ヶ月程度の新入社員研修後、それぞれの配属地に赴くシステムとなっていた。
この会社も多くの会社と同じように4月1日に入社式が行われる。
遠方から採用されている学生もいるため新入社員全員が前日から研修所に宿泊し、
次の日の朝合同で会場に向かうという流れだ。
さて、前日に研修所に到着すると、まず研修のクラスを通知される。
何百人という新入社員がいるため全体で行うことは不可能だからだ。
クラスは総合職・現業職で別となっているが、様々な採用系統が同じクラスになるよう考えられている。
ちなみに鉄道会社は完全に縦割り組織であり、採用された系統が変わることはなく、仕事においても系統が異なれば全く交わることがない。会社説明会では様々な系統と関わりながら、一つの目標を達成するという事がよく言われているが、いざ入ってみるとそのギャップに戸惑うだろう…
割り当てられた教室に向かうと、筆者と同じように緊張の面持ちの同期達が教室に座っている。
指定された席につき荷物を整理していると、早速担当の講師から研修についての説明や、明日の入社式の流れについて説明がある。
新たに出会った同期と会話をしたり、親交を深める暇もない。
(まあ入社式の後には懇親会もあるだろうし、今晩の席で仲良くなればいいか)
等と思っていたが、入社式が終わるとすぐに研修が始まるとのことだった。
入社式自体は1時間程度で終了するが、色々準備があるとのことで、次の日は朝6時前に出発するというスケジュールだった。
いきなりのハードスケジュールに驚いたが、講師が何度も強調した注意事項も気になった。
「明日会場に着くまでに何か話しかけられても一切答えてはいけません。」
(一体何のことだろうか。大人数で移動するため、話し声などが近隣の住民の迷惑になるということだろうか…)
次の日の朝は、夜型の学生であった私には非常に辛かった。
スーツに着替え、ビジネスバッグを持ち、眠い目をこすりながら入社式の会場へと向かおうとすると、
講師から手ぶらで行くように、との注意を受ける。
仕方なく何も持たずに会場へと向かうが、手ぶらで向かう理由は後程わかることになる。
異様な集団
最寄駅を降り、教えられた道を会場へ向かう。
黒いスーツを着た手ぶらの大勢の団体が無言で道を歩いている。異様な光景である。
もう少しで到着するかというところで、会場前の道にたくさんの幟とメガホンを持って叫んでいる人たちがいる。
一体何なのだろう。
※画像は関係ありません