前回の記事では、鉄道会社(JR各社)の就職活動で行われている、リクルーター面談(通称リク面)について書いてみた。
簡単に言えば、 採用解禁前から業務説明や先輩社員との懇親という名目で、喫茶店などで行われる非公式な面接の事である。
業務説明という言葉を額面通り受け取り、志望動機や自己PRを何も考えていないという点だけは避けたい。
今回は、リク面で主に聞かれる内容と、なぜそのような質問がされるかについて、私の推測も含みつつ紹介したいと思う。
これは確実ではなく私が体験したり周囲から集めた情報を基に書いたものなので、現在も必ずしもその内容が聞かれるとは限らないので、その点はご容赦いただきたい。
リク面で聞かれる内容は、大きく分けると3つ
細かい内容は異なるが、どの鉄道会社(JR各社)のリク面もほぼ聞かれることは同じである。傾向として、以下の3つの質問内容が多いようだ。
① なぜその会社を志望するのか(JR東日本ならなぜ東海ではなく東日本なのか)
② 学生時代に頑張ってきたことは何か
③ 他企業の選考状況はどうなっているのか
それぞれについて、簡単に紹介してみよう。
① なぜその会社を志望するのか
かなりオーソドックスな質問であるが、鉄道会社を受ける場合、他のJRではなくなぜうちのJRなのかをよく聞かれる点が特徴的だった。
大学や出身地がその会社のエリア内にあれば、地元の発展に貢献したいとかそれなりの答えが出来るのだが、そうでなければ中々難しい質問である。
細かい点を言えば異なるが、エリアが違うだけでやっていることはほぼ同じだ。大体、説明会に出てくる社員も、ロクに違いが分かってはいない。
かといって、「説明会での雰囲気で~」とか「社員の人柄が~」とか言ってしまうと、何も考えていないと思われて落とされることも多いので、注意が必要だ。
各社の中期経営計画や、IR情報を見ながら、自分なりの違いを見出していくしかないだろう。
このような質問される背景として、JR各社間のライバル意識もあるのだろう。
社員の中にある、あっちの会社よりは上に見られたいとか、この点は優れている、という点にうまくはまると面談はうまく進むのかもしれない。
また、学生は上位の会社に流れる傾向が強いので、こいつは内定を出しても辞退しそうだ、という点を見極める意味もあるのかもしれない。
② 学生時代に頑張ってきたことは何か
これも一般的だが、要は自己PRである。
鉄道会社は、「一人の十歩よりも十人の一歩」という世界である。
あなたが学生時代に研究やサークルなどで個人的に輝かしい成績を残し、高い技術や技能を持っていたとしても、それをそのままアピールしてはダメだろう。
優れた能力も必要だが、何より協調性が重要視される世界である。
そういう意味で、運動部(特に団体スポーツ)は、とてもよい自己PRになる。チームで何かを成し遂げた、とか仲間の絆を感じた、とかはとてもウケがよい。
また、社内は年功序列で理不尽な慣行や非効率な業務も非常に多く残っている。こういった環境においては、上から言われたことには文句を言わずに従い、気合と根性で理不尽な事にも耐えられる体育会系の人材はピッタリである。
ちなみに、筆者の同期や先輩後輩を見ても、明らかに体育会系出身の人が多かった。やはり、社風と採用される人材はある程度相関するのだろう。
もしあなたが体育会系の部活等をやっているのであれば、それを積極的にアピールしていこう。そうでなければ、なるべく協調性やチームワークをアピールできるようなエピソードを考えるしかないだろう。
③ 他企業の選考はどうなっているのか
意外かと思われるかもしれないが、他社の選考状況は非常に気にする。
というのも、鉄道会社自身がどこも選考解禁前にリク面という非公式採用をやっているため、他社(主な競合は他のJR各社)の動向をつかまないと、良い学生に早く内定を出されて逃げられてしまうからである。
やはり、JR各社においても人気の格差はある。議論の余地はあるが、JR東日本 ≧
JR東海 >>JR西日本>>>その他JR(九州がおそらく一番上)といった所が妥当だろう。
下位の企業に行くほど、上位の企業より早めに内定を出さなければ、その時点で上位企業に逃げられてしまうため、他社の選考の進み具合を非常に気にするし、志望動機も細かく聞かれる。
この辺は駆け引きが出来るところでもある。他社のリク面を一回しか受けていないにもかかわらず、既に何回もやっているとリクルーターに伝え、選考を早めてもらうことで早めに内定を獲得したという話も聞いたことがある。(結局、辞退したようだが)
うまく使えば、選考を早めることが出来、早く就職活動を終えることもできるだろう。
まとめ
以上のような質問に答えつつ、リク面を3~5回ほど突破すれば、晴れて鉄道会社の内々定を得ることが出来る。
もちろん、ここに書かれている内容は私が聞いたor体験した範囲の話であり、正確性を保証するものではないので、その点は気を付けてほしい。
既に2020年卒の就活は始まっており、場合によっては実際にリク面をやっている学生の方も多いだろう。
私の記事が、鉄道会社への就職活動の参考になれば幸いである。
一方で、鉄道会社へ入ることの是非は色々とある。就職活動をしている時は、表面上の言葉やインターフェースに惑わされ、実態をつかむことはなかなか難しい。
そのあたりも、是非このブログの他の記事を参考にして、自分の納得のいく人生を選択してほしい。