今回は、就職してからは避けられない、配属問題について紹介したいと思います。
働きたいところで働けない?
どんな会社でも転勤は多かれ少なかれ存在する。
特に総合職の場合は全国転勤や、場合によっては海外転勤・駐在という可能性もある。
鉄道会社も同様であり、総合職と一部の現場採用の人間には転勤が存在する。
私鉄であれば路線の範囲が狭いため、引っ越しを伴うような転勤は少ないが、JR各社は経営するエリアが広く、大型の転勤は避けられない。
私鉄であっても、事業エリアが広い場合は自分の希望しないエリアへの配属はある。JRよりリスクは低いものの、配属リスクは絶対に存在する。
近年一部のJRではエリアを限定した総合職採用といったことも行っているようだが、これについても採用されたエリア以外に異動することがないことを保証するものではない。
稀に就職活動において、例えば首都圏で働きたいのでJRを志望します、といった学生が存在するが、JRは地方にも沢山のエリアを抱えており(むしろ地方の比率の方が高い)、東北等の地方に配属される可能性を考えず就職することは、考えが足りないと言わざるを得ない。
最初の配属で運よく首都圏配属になったとしても、JRの場合、数年置きで異動が繰り返されるため、常に首都圏において働く可能性は少ない。
これは他のJRであっても同じであり、例えば近畿圏で働きたいといって就職した人が山陰地方に配属になることもある。
東海であれば総合職は基本的に新幹線に携わることになるため、東名阪のどこかになり、大都市で働く可能性は高い。これも人気がある理由の一つだろう。
しかし、2027年に開業を控えたリニア建設の部署に配属された場合、中部地域の山の中に配属されることは間違いない。
余談だが、リニアをやりたいといって就職したいという学生は多いようだが、就職後には一変する。誰もリニアに行きたがらないのだ。
この記事にもある通り、リニアの開業までの時間は長くないが、課題はたくさんある。
筆者の知り合いから聞いた話だが、リニアの現場の社員はものすごい長時間労働を強いられているようだ。それを皆知っているから、リニアに配属されたがらない。そんな要望などは聞いてもらえないが。
話はずれたが、鉄道会社を志望する学生は、転勤を繰り返すこと、しかも必ずしも大都市ではない、どちらかといえば過疎地域において働く可能性があるという事実をしっかりと認識してほしい。
高校、大学と常に東京や大阪などの大都会で育った人間が、地方都市に配属となり、親類縁者や友人もおらず、環境の違いに大きな戸惑いを覚える例は少なくない。もちろん、その土地それぞれには良さを見つけ、新たな人間関係を作っていけばいい話ではあるのだが。
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