転職活動の実態 -実際の求人へ応募-

前回の記事では、転職サイトに登録しエージェントと面談を行った事を紹介した。

求人は紹介されたものの非常に数は少なく、エージェントからも「この経歴では紹介できる求人数は少ない」と伝えられ、非常に失望した。

今回は、実際に求人票に応募するまでの流れを、私の経験をもとに語ろうと思う。

複数エージェントと面談しリスクヘッジ

最初に登録した転職サイトのエージェントとの面談では、相手も珍しい経歴に戸惑っており、求人数も非常に少なかった。しかし、鉄道会社から脱出することはほぼ決めており、現状を嘆いていても仕方がない。

ネットの情報などを頼りに、複数のエージェントと幅広く面談することにした。鉄道会社の環境でゆでガエルにならないために、何としても脱出をしなければならないのだから、手段は選んでいられない。

転職活動を本格的に始める前には、応募は1つのエージェントから行わなければならないと勝手に思い込んでいたのだが、複数のエージェント経由で多数の企業に応募することが基本だ。

紹介される求人数や職務経歴書の添削などのアドバイスを複数聞くことで、エージェントを比較出来ることが大きなメリットである。

ちなみに、大手転職サイトのエージェントだからと言って、必ずしも質が高いわけではない。自分の希望職種を伝えても経歴に沿った代わり映えの無い求人しか出してこなかったり(おそらくシステムにキーワードを入れて自動的に引っかかった求人を出しているのだろう)、意思決定の期間を限定することで多くの企業を見れないようにしたり等、とにかく転職させて数を稼げばよいと考えているエージェントもいるので気を付けよう。

こういった良し悪しを見分けるためにも、複数のエージェントと面談することは大切である。また、学生時代の転職した友人など、色々な人からアドバイスを受けることも重要だ

私の場合は、学生時代の友人が転職していることが多く、彼ら/彼女らのアドバイスが非常に役に立った。社内では口外するわけにいかず、転職している先輩等もほぼ存在していなかったため、非常に苦労した。

ただ、アドバイスは色々と受けたものの、自己PRは非常に難しかった…

職務経歴書での自己PRに苦労

求人に応募するためには、履歴書と職務経歴書という書類を用意する必要がある。

履歴書は就活やバイトの時に書いたこともある人が多いと思うが、職務経歴書は転職活動で初めて出てくる書類である。

簡単に言えば、今の会社で所属していた部署とそこでの仕事内容、成果をまとめた紙である。これを読むことで、求人を出している企業は応募者がその会社で戦力になるかを判断するのである。要するに、社会人版のエントリーシートである

そのため、単に所属した部署や現場を淡々と描くのではなく、どういった部署で、どういった課題を見つけ、それに対しどのようなアプローチをし、どのように成果を残したのか、という論理性が重要である。

この辺は、まともなエージェントであれば添削を行ってくれるし、少しネットを調べてみれば書き方はいくらでも出てくる。

私の場合、これに書くことがなく非常に苦労した覚えがある。やっていることと言えば、現場での作業経験や簡単な事務職くらいしかない。

マニュアルに従い決まったことを行い、年毎にある異動でまた違う職場に行き、一から仕事を覚える。事務職も対外的な仕事は全くなく、現場と支社や本社のパイプ役程度。職場のカイゼン程度の事は行ったが、鉄道会社での経験は、いざ文字に起こしてみると非常に薄っぺらい….

入ってそれなりの期間を過ごしてきたにもかかわらず、職務経歴書にかけるような仕事は何もないと言ってよいことに絶望した。

これは私個人の話ではなく、私の後に鉄道会社から転職を考え、職務経歴書を書いた人からも複数の人の話を聞いたが、誰もが悩むことのようである

落ち続ける書類選考

エージェントや友人の手伝いを受けながら、何とか職務経歴書を書き上げた。偽装まではしていないものの、カイゼンの内容はビジネスっぽく書いたり、現場経験も単純作業ではなくリーダーシップを発揮してやっていた等、なんとかそれっぽいものを仕上げた。

書き終えると、これをエージェント経由で求人に応募することになる。早ければ結果は数日、かかっても2週間程度で選考結果が返ってくる

結果は。。。。頑張って書いたつもりだが、ほとんどが書類で落ちてしまった。エージェントからメールが来るたびに、暗い気分になっていった覚えがある。

これが、就活でも人気の大手企業であればまだわかるが、就活では名前すら知らなかったような企業でも、平気で書類落ちする

理由は案の定、「職務経歴がうちでは活かせない」が大半である。

この時ほど、鉄道会社に長くいても市場価値が全くないと気づいた時はない。何とかとおった会社でも、給与があまりに低かったり、離職率が高い所謂ブラック企業であったり、問題は多く、今の会社に居続けるしか道はないのか….と絶望した。

鉄道会社へ就職を考えている人へのアドバイス

沢山のエージェントに登録し、数えきれない求人に応募したことで、何とか良さそうな企業に内定が決まり、鉄道会社からの脱出を果たした。

しかし、ご覧になってもらった通り、鉄道会社社員の市場価値は非常に低い。そのため転職活動自体も非常に長引き、落とされ続けることで精神的にも辛い時期が続く

皆さんに是非認識してもらいたいのは、一度鉄道会社に入社したら環境を変えるハードルは非常に高い、という事である。

やりたい仕事が変わったとか、人間関係にどうしてもなじめないとか、どうしても環境を変えたいと思うこともあるだろう。増してや昨今、転職を通じたキャリアチェンジは一般的なものとなってきている。

しかし鉄道会社に入るとその自由がきかない。そもそも環境を変えることが難し過ぎるので、希望の持てない仕事やつまらない仕事、辛い人間関係も我慢し続ける必要がある

私が知っている範囲でも、鉄道業界で精神を病んだり、最悪の場合自殺してしまうケースはそれなりにあった。様々な要因はあるかもしれないが、もっと環境を容易に変えられ他ならば最悪のケースは避けられただろう。

鉄道会社を志望する人は、定年までしっかりと勤め上げる覚悟で入ってほしい。それでも入ってみたいという人は、入社と同時に転職サイトへ登録し、また学生時代の友人やネットの情報等、外の世界に対するアンテナを張り続けることをおススメする

もちろん、環境に溶け込める自信があり、仕事はほどほど、給料もほどほどというぬるま湯の環境を求めている人には絶好の環境であるが。

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