鉄道会社へ就職するには? -リクルーター面談-

就活シーズンも本格化し、街でリクルートスーツ姿の就活生を見ることも多くなった。学生にとっては、自分が志望する会社の選考プロセスや面接で聞かれることは、何よりも気になるだろう。

かなり前の記事になるが、鉄道会社の総合職の採用プロセスについて書いたが、今回は鉄道会社で行われている、リクルーター面談について簡単に書いてみよう。

リクルーター面談は存在するのか?

鉄道会社(JR各社)の採用でよく行われていると聞かれるのが、リクルーター面談だ。

リクルーター面談、通称リク面とは、選考が正式解禁となる前に行われる実質的には選考となる面談の事である。

ESを出したり、OB訪問をしたり、場合によっては大学別の説明会に参加しただけで、非通知設定の電話がかかってくる。

「ESを提出してくれてありがとうございます。もしよろしければ、○○さんの会社への理解を深めるために、一度お会いして会社説明などを個別に行わせてください」といったような内容である。

そんなことは建前で、実際はただの面接である。経団連の就職協定に加入しているため、表立った「採用活動」は出来ないため、あくまで「懇親」という建前で接触を行う

就活生はこの辺の実態がつかめず、本当に選考なのか?懇親が目的ではないのか?と混乱することもあるが、実態は間違いなく選考である

よく、説明会などで「リクルーター面談はありますか?」という質問があるが、社員からしてみればそんな質問に答えるわけにはいかない。

「そういった噂はネットで書かれているようですが、うちはやっていませんよ」とお茶を濁されるのが関の山だ。

むしろ、本音と建前を分けて考えられないまま質問する学生は、こいつ出来ないなと思われて、その時点で選考から外されてしまう恐れもある

結論は「リクルーター面談はある」といってよい。

就活生のみなさんは、「是非一度お会いして話をさせてもらえませんか?」という電話があったら、面接本番に挑むつもりで、志望動機や自己PRをしっかりと準備していくべきである

リクルーター面談は何回あるのか?

会社や採用系統、人によっても異なるが、筆者が色々と聞いた範囲では大体4~6回程度実施されるようだ。

最初は大体3~5年目の若手担当者が出てきて、2回目は少し年次が上がり5~8年目くらいの担当者が来ることが多そうだ。人によっては、同じくらいの年次の社員ともう一度会うこともあるようだ。

通過した場合は、その日かその次の日に、「別の社員と会ってくれないか」という電話が非通知でかかってくる事が多いようである。

1週間連絡があいても連絡がなければ、それは所謂サイレントお祈りと考えてよいだろう。もし連絡があっても、上位の志望者が辞退したための補欠要員など、あまり期待しない方が良い。

ここまでは、大体が説明会で会社説明をしていたある程度顔も見知った担当者である事が多い。

ここを突破すると、管理職レベル(30~40代)の人が出てくる。若手とは違い、かなり突っ込んだ質問がされたり、本当にその会社に入りたいのか等を詳しく聞かれるようだ。

若手には決裁権はないため、このレベルの面談が内々定への最大の関門であると言えよう。この後も年次が上がっていき、部長や人事面談などもあるようだ。

まとめると、若手2~3回+管理職2~3回のリクルーター面談が続き、その後選考解禁と同時に内々定というパターンが多いようである。

悪評高いリク面を突破しなければ、鉄道会社には内定しない

以上のように、鉄道会社から内々定を得るためにはリクルーター面談を数回突破する必要がある。

選考時点で採用活動ではありませんという建前を言いつつ、実質選考を行うという茶番につきあう必要がある。このような茶番は、入社してからも続くのだ

問題なのは、筆者が学生の頃から思っていたが、非通知で電話をかけてきて、選考と言わずに選考を行い、落ちた場合は連絡も全くしないというのは、かなり不誠実なシステムでないだろうか

選考ではないという建前上、あなたは不採用ですという通知を、採用解禁前に送るわけにいかないという事なのだろうが、志望度が高い学生ほど自分の面接結果は気になるものである。

もちろん、多数の応募がある中個別のフィードバックを行うことが難しいとか、採用ではないという建前上、結果を通知するわけにいかないという事情は分かるが、評判は明らかに悪くなるだろう。

一時期、就活を通して嫌いになった企業ランキングというサイトがあったが、JR系の鉄道会社は順位が高く、その理由として「選考が不透明」という理由が圧倒的に多かった

ある意味、リクルーター面談のシステムはそれ自体が本音と建前の使い分けという会社への適性を測っていると言えようが、明らかに評判を落としていることも事実だろう。

次回は、面談で何を聞かれるかを書いてみようと思う。

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